ユキト〜薄幸の國士無双編〜
「ロンッ!対々和三暗刻満貫っ…。これでハコね……」
「くっそぉぉぉ〜〜。結局一枚も脱がす事が出来なかった〜〜」
とある麻雀店に響き渡る敗戦した男の断末魔。ここに一つの勝負がある女性の圧倒的勝利に終わった。
彼女の名は美坂香里、脱衣麻雀界では「御嬢かおりん」の二つ名を持つ異才の女性玄人である。容姿端麗な女性であり、その秘めたる魅力に性欲を高騰させては勝負を求め、そして敗れて行った男の数は知れない。
「ロンッ!タンピン一盃口…、そしてドラ2っ…、満貫だっ…。さぁて、残るのはブラとパンティーとスカートか……。まずはパンティーから脱いでもらおうか、そしたら勝負の最中に運がよけりゃスカートの奥のものが見えるかも知れないからな」
「そんな事いう人嫌いです……」
一方時を同じくして別の卓では逆に男に振込み、その男の性欲に己の身体を弄ばれていた少女の姿があった。
彼女の名は美坂栞、御嬢かおりんの実の妹である。しかし、異才な姉に比べその腕は大きく劣り、素朴で可愛らしい容姿をしている事から少女趣味の男共に標的にされ、いつもその身体を男共の性欲を満たす木偶と化していた。
栞は勝負に負ける度にいつも自分の不甲斐無さを呪い、そして姉に対し羨望の念を抱いていた。何て自分はこんなにも実力がなく、しかも運に見放されているのだろう…。それに比べ姉は常勝の実力を誇り、運さえ常に味方に付けている…。自分もせめて姉に勝るとも劣らない運を身に付けてみたいと……。だが、そう思う気持ちとは裏腹に今正に少女は不運の境地にあった。
(あと2枚で全裸にされる…。神様お願い、私に運を……)
そう願い牌を山から積むものの、配牌はとても良いとはいえるものではなかった。
(勝負の瀬戸際なのにこんな配牌だなんて…。やっぱり私は一生不幸の星の元に生きる少女なのね……)
そして巡は進むものの少女に運の流れがこなかった。
(この局も私の負けね…。えっ…!?このツモの流れは……)
「あははーっ、お久し振りです、牌の魔術師さん。ツキは出ていますかーっ?」
「ア、アンタはあの時の……」
聞き覚えのある声を聞き、牌の魔術師こと国崎往人は一瞬臆する。声の主は嘗てオヒキを引き連れ往人と一戦を交えた女性、倉田佐祐理であった。
「覚えていてくれて光栄です。早速ですが一勝負打ってみませんか?」
「また脱衣か?」
「ええ。相手は最近名が知れてきた『國士のしおりん』という年端15歳の少女です」
「と、年端15歳の少女!!」
その言葉を聞き往人は胸を躍らせる。幼い少女の脱衣ショーを垣間見る妄想を展開し、性欲を掻き乱せる。
「ん…でも、まて、年が15とはいえ上玉とは限らないな……」
「そういうと思って本人の写真を隠し撮り写真を持ってきましたー」
何故隠し撮りなんだ、そう疑問を抱きながらも往人は渡された写真を手に取る。
「こ、これは……」
その瞬間住人の下半身はスーパーサイヤ人状態になる。写真の少女が見事自分好みだったからである。この写真の少女が自分の指図により嫌々と服を脱ぐシーンを妄想し、往人は恍惚の笑みを浮かべながら鼻血を垂れ流す。
「それで勝負の方は承ってくれるでしょうか?」
「ああ、無論だ」
「それは良かったですー。折角佐祐理好みの少女を見つけたというのに佐祐理の腕では脱がせそうになかったので」
「えっ、今何か言いましたか?」
「あははーっ、往人さんの空耳ではないでしょうかー?」
まるで自分がレズであると公言したような台詞が飛び交ったと思ったが、気にせずに往人は佐祐理に案内され賭場に向かった。
「さあ、ここが決戦の場です」
佐祐理に案内された賭場、そこは薄暗い猛者共が己の技量の限りと尽くして戦い合う普通の賭場とは違い、賭場というよりはラブホテルやイメクラを連想させるような所であった。佐祐理の話によると、ここは近年裏社会で急速に発展してきた脱衣麻雀専用の賭場であるという。
「くっ、くそ〜、これでハコか……」
「残念ね。今日はこんなに稼がせてくれてどうもありがと」
「へへっ…、さぁ脱げ、脱げ!」
「や、やめて下さい!これ以上脱ぐのはもう…」
「へッ、脱ぐ覚悟がない奴がこの賭場にくるんじゃねえ!」
辺りから聞こえて来る声、それは普通の賭場で聞こえる声もあれば、ここで脱衣麻雀が行われているのを確認させる声もあった。
人間には様々な欲がある。普通の麻雀はその欲の中で金欲を表に出し競い合うものである。だが金欲とは所詮資本主義社会が生み出した人工的な欲に過ぎない。脱衣麻雀は普通の麻雀とは違い、人間の本能的な欲である性欲を表に出し競い合うものである。
「ところでここのルールは?」
往人の疑問に答え、佐祐理は公的な脱衣麻雀のルールを語る。基本的なルールは一般的な麻雀ルールと同じであるが、点数の清算方法が異なるという。その清算方法はロンの場合、男性は1回振り込む毎に点数の値をそのまま現金に換算した金額を支払わなくてはならず、女性は1回振り込む毎にハネ満までは1枚、倍満、三倍満は2枚、振り込んだ相手が指定した任意の規定枚数を脱がなくてはならない。ツモアガリの場合は男性の清算方法は同じだが、女性は点数に関係なく、肌から遠い服を1枚脱がなくてはならない。また、約満は特例で女子は振り込んだら即全裸、ツモでも現在着ている服の半分を脱がなくてはならない。
性別により清算方法が異なるのは、男性の裸、ないし脱ぐ動作を見ても性的欲求は起きないであろうという配慮からであるという。また、女性の脱ぐ服がなくなるのはハコになったのと同列に扱われ、勝負はその時点で終了する。
この脱衣麻雀、いうなれば麻雀と援助交際や売春を結合させた遊戯である。援助交際や売春は女は身体を売り、男はその身体を金で買うというものである。だが、この脱衣麻雀は勝負に勝てば、男は一切金を支払わずに性的欲求を満たす事が出来、女は自分の身体を売る事なく金を獲得できる。故に性的欲求を満たしたくとも金がない男性や、金が欲しいが身体を売りたくない若い女性には根強い人気があるという。
「ククッ、つまり俺のような金のない放浪玄人がその性欲を満たすには格好の場という訳か…」
「まあ、そういう事になりますわね」
軽い会釈をしながら往人は佐祐理に案内され、國士のしおりんが待ち受ける卓へと向かう。
「貴方達が今日のお相手の方々ですね」
「ああ。俺の名は国崎往人。麻雀界ではそこそこ名の知れた玄人だ」
「住人さん…ひょっとして『牌の魔術師』の二つ名で知られるあの住人さんでしょうか?」
「ああ」
「そうでしたか。初めまして、わたくし美坂栞と申します。貴方のような著名な玄人と一戦を交えるのは身に余る光栄です。以後お見知りお気を」
「え…、ええ……」
律義に挨拶を交わす栞を見て往人は困惑する。こんな純情可憐な少女が本当に國士のしおりんなどと呼ばれている玄人なのか?写真を見る限り、今時の国籍人種不明な女子高生とは違い、外見を着飾らない内面から溢れ出る本当の意味での可愛らしさを秘めた少女である事は分かった。しかし、こんな賭場に足を踏み入れる位だ、外見に惑わされては行けない、恐らく心内は中国人に勝る程のしたたかさに満ちているに違いない…。そう思っていただけに心内まで純情さをイメージさせる言動はより意外性を感じさせた。
「ところで、この数ですと面子が1人足りませんが…」
「それは問題ない。そんな事もあろうかと知人に連絡を付けている。そろそろ来る頃だが……」
「ちっす…」
「おお、来たか」
「あら貴方は確かこの間の勝負で往人さんに代打ちを頼んだお方…、確か遠野美凪さん…」
「正解です…。おめでとうございます、パチパチ……。正解した方にはもれなくお米券を……」
「やらんでいい」
終始マイペースな言動を繰り広げる美凪を住人が制する。この女性、以前往人に対佐祐理戦の代打ちを頼んだのだが、報酬としてお米券を進呈するのを手篭めにして構わないと往人に勘違いされ、そのまま手篭めにされてしまったという過去を持つ。以後、彼女は成り行きで往人のオヒキとなっていた。
「さあ、これで面子は揃った。國士のしおりん、そのお手並みとくと拝見させてもらう!」
「ええ。私の方も貴方の魔術師と呼ばれるお手並みを拝見させて頂きます」
こうして鬨の声が交わされ、今正に戦いは開始された。
(卓は全自動か…。これでは法術は使えないな……)
法術、それは往人の家系が遥か古の平安の時より受け継いで来た力である。軽いものを自在に操れ、その力を博打に利用し、古くは半町博打のサイを操り、近世に至っては麻雀に応用するなど、日本の裏にその力の権威を示し続けていた。しかし、戦後機械化が進み、麻雀卓も全自動化が進んだ。法術は精神に過度の負担を与える。故に機械で洗牌から山積みまで行われる全自動卓では力の使用が困難である。せいぜい一局に2〜3回が限度である。
「ロンッ、白、一盃口、混一色、満貫です」
「振り込んでしまいましたね……」
東一局、栞が佐祐理に振込み終了する。
「あははーっ、ではまず初めにブラから脱いでもらいましょうかー」
「い、いきなりそこに行くかっ!?」
「服を着ている状態で恐る恐るブラを脱ぐ仕草って魅力的だと思いません?」
「承認!!」
佐祐理の意外な指示に往人は戸惑ったが、確かに佐祐理の言う通り性欲を高騰させるような魅力があると思い、迷いなく同意した。
「仕方ありません…、では……」
顔をほんのり赤め、栞はブラを外す作業に移る。まず背中に手を入れ、ブラのフックを外そうとする。しかし、服を着た状態でブラを外した事がないのだろう、思うように外れず服の中でまごつく動作が続く。その慣れない動作が可愛らしく見え、往人の下半身は既に硬直化を開始していた。
ようやくフックが外れ、次に胸元から手を入れ、ブラを引き抜く。セーターの間からするするとか弱い掌に掴まれたブラが引き上げられる。
(しかし、以外にあっさりと振り込んだものだな…)
二つ名を持っているには初心者の如く振り込み方。本当に名の知れてきた玄人なのか?往人がそう疑問に思っている中、東二局へと進む。
「リーチッ!」
東二局六巡、往人がリーチを宣言し点棒を河へ差し出す。
「貴方に…力を……」
それと同時に美凪が何やら呟き出す。その姿に一瞬きょとんとし、佐祐理と栞の目が集中する。
「マイクロウェーブ来る!行けぇ〜、サテライトツモォォォ!」
それに呼応するかのように往人は叫びツモる。
「よぉし、ツキが来たぁぁ!立直一発自積タンピン、満貫だっ……」
サテライトツモ。それは往人が対全自動卓用に新たに開発した法術イカサマである。これはオヒキが居り、河に自分のアガリ牌が捨ててある場合のみ有効で、まず初めにオヒキに本人がまるで往人に力を与えているかのような台詞を言わせる。すると一瞬周囲の目は自然とオヒキの方に集中する。その間法術で山のツモ牌と河に捨ててある任意の牌を交換する。この技を使うと、相手はオヒキが運を呼んだかのように錯覚し、またツモアガリした後の目線は河よりも服を脱ぐ人に行く事が多く、服が脱ぎ終われば洗牌に移るのだから、河の牌が変わった事に気付かれる事は相手が鬼神赤木しげる位の玄人でない限りまずない。
「あははーっ、流石ですね往人さん。佐祐理も脱がなくてはなりませんけど、他の方々の脱ぐ仕草を見られるのですから、制服1枚程度お安いものです」
ツモアガリという事で、往人を除く3人の女性方がそれぞれ服を脱ぎ出す。佐祐理は美凪2人とも制服姿でデザインは2人とも異なるが、どちらも制服の下にYシャツを着ているような格好なので、まずはその制服を脱いだ。栞は上に羽織っていたのがジャンバースカートな為、ノーブラのセーターだけを着ている姿となった。また、セーターから発する静電気に胸の先端が刺激され、それにより硬直した胸の先端が薄っすらとセーターとの癒着部分から確認する事が出来た。
(ロリ少女のノーブラのパンティー姿…、それに胸の先端が……ぐ、ぐふっ、思わず鼻血が……)
栞のあらわもない姿に興奮し、欲情が最高点まで達し、往人は鼻から血を流し出す。そして始まった東三局、何事もななかったように局が進むかのように見えたが……。
「私、昔から運と縁がなくて、いつもこんな感じで脱がされていました……」
十巡が過ぎた辺り、ふと栞が静かに語り出した。
「ククッ…、今更命乞いか……。しかし、もう遅い、お前には裸になってもらうぞ」
「それで何とか運を自分のものにしようと努力し続けてきましたが、結局駄目でした……」
國士のしおりんというのは相手を運のない自分が威圧する苦し紛れのブラフに過ぎない。そう思い栞を挑発する往人をよそに栞は語り続ける。
「そして、ある時気付いたのです…。運のない自分には運のないなりの闘い方があると……」
その刹那、場が一瞬凍り付いた。そして…、
「ツモ、國士無双……」
「なっ……」
往人は驚いた。運のない栞に何故國士が来るのか…?その理由が理解出来なかったからだ。只一つ言える事…、それは國士のしおりんの二つ名はブラフではなかったという事である……。
「魔術師さんが親ですから、現金で16000円払いですね…。後の2人はルール通り現在着ている服の半分を脱いで下さいね」
「16000円か、痛いな…。しかし、どうして……」
素直に金を払いながらも往人は未だに腑に落ちずにいた…。
「國士は偶然性の高い役です…。つまり他の役に繋がらない配牌が続くのに半比例し、國士の確立が高くなるという事です…。それにしましても、まさか佐祐理が先に裸になる羽目になるとは思いも寄りませんでしたね……」
佐祐理は住人に栞の國士の仕組みを説明し、そのまま服を脱ぎ出す…。佐祐理の制服は服とスカートが一体整形になっており、佐祐理の現在の枚数は4枚である。
佐祐理はまず一体整形の制服を脱ぎ、次にブラを外しに掛かる…。こういう場に慣れているのか、まるでストリップを行っているかの如くに優雅に繊細に服を脱ぐ。服を脱ぐ度に辺りに拡散される甘い香水の香りが、その淫猥さをより助長させていた。そして規定枚数を脱ぎ終わり、佐祐理はパンティーと靴下だけの姿となった。
「ブッ!!」
その淫猥な魅力に往人はまたもや鼻血を流してしまう。パンティーと靴下だけになった姿がヴィーナスのように美しく見え、辺りの寒さに刺激され胸の先端が硬直しきっていた。しかし、佐祐理の姿に魅了された往人の目には、横の方で静かに佐祐理と同じ格好になっている美凪は映らなかった。
この場には冬であるにも関わらず、一切の暖房器具が設置されていなかった。それは寒さにより女性の身体に何かしらの刺激が与えられ、その結果が男性の性的欲求にさらなる刺激を加えるからであるという。同じような理由で、夏には一切の冷房器具が設置されていないという。
そして東場最終局は栞を親として始まった。
(二連続國士など有りえんだろうが、念の為警戒した方が良さそうだな……)
連続國士など奇蹟に等しい。そう思いながらも栞を除く3人は栞の國士を警戒しながら局を進めていった。
(ヤオチュウ牌はまだ4枚出切っているのはないわね…)
十巡目が過ぎても未だ4枚出切っているヤオチュウ牌はなく、栞の國士に対する警戒は続いた。
「(ククク…やはり二連続國士はないな……)カンッ!!」
手元に九筒を4枚揃え、往人は高らかに暗貫を宣言する。
「あの、一つ聞きますけど、ここでは暗貫アガリは認められていますよね?」
しかし、栞はその動作に臆する事なく暗貫アガリの確認を取る。
「ええ…、認められていますよ…。ただ……」
“國士“にのみ限りですが―、佐祐理がそう言い終えた刹那、栞はゆっくりと手牌を倒す…。
「では、ロン、國士無双です」
「なっ…?二連続國士…しかも暗貫アガリだと……。クッ…これが奇蹟というものか……」
「違いますよ魔術師さん、起きないから奇蹟って言うんですよ。私のこの國士、これは奇蹟ではなく何の取り柄もない私に神様がくれた力なのですよ」
(力…、俺の法術がそうであるように、彼女にとっての國士も力だというのかっ……)
(痛いな…。さっきの振り込みで既に64000円の出費か…。残金は残り僅か……)
ここに来て、往人はこの脱衣麻雀のルールがいかにシビアな事に気付いた。普通の麻雀であれば、大きな出費をしても取り戻す事は可能である。しかし、この麻雀では自分に振り込んだ相手が男でない限り失費を取り戻す事は出来ないのだ。女に振り込めば自分の性的本能に殉ずるがままにその女性を脱がす事が出来るのみである。もっとも、金が戻って来ないというデメリットより、女性を手玉に取れるという本能的快感が勝り、この麻雀が裏世界で人気なのであるが。
(力には力で対抗が王道っ!ここは俺の力の全てを掛けて…、行けっ法術洗牌っ!!)
東場最終局一本場、往人は法術を使用する。
法術洗牌、それは洗牌時に法術を使用し任意の牌を自分の元へ引き寄せるイカサマ技である。しかし手動の行為とは違い、全自動卓では思うように力が使えない。用は麻雀卓の洗牌スピードと往人の法術スピードとの一騎打ちである。
「リーチです」
(クッ、やはり駄目だったかっ……)
十二巡目、栞がリーチを宣言した事により、往人は己の敗北を確信した。法術洗牌は本来自分が親である時にしか本来の効果を得る事が出来ない。よってここは本来の運の流れを自分の力で人為的に少しでも変えてみせようと使用に至ったのである。しかし、今のリーチで栞が國士をテンパッたのは明白である。本来國士にはリーチは特に必要とはしない。故にこのリーチは自分に國士が来た事を敢えて宣言し、その揺るぎ無い力を誇示する為のリーチであるのは玄人の往人には直感で理解出来た。
「ロン…國士無双……」
無情に響き渡る國士宣言…。もう駄目だ―、往人はそう思った。
「えっ…、そ、そんな……」
しかし、驚くべき事に國士を宣言したのは栞ではなく美凪であった。
「わ、私以外に國士でアガルなんて……」
そして急転の事態に何よりも驚いたのは國士リーチを宣言した直後、美凪の國士に振り込んでしまった栞自身である。
「こ、これはどういう事だ…?」
「とどのつまり、私が栞さんより不幸度が増していたという事です、往人さん……」
「はいっ?」
「それは興味がありますね。運がなくてその上病気持ちだったりする私より不幸だというのですか?」
「そうですね…。私の場合、病気持ちではないのですが、母が妊娠中毒になり子供を流産してしまいました…。それが原因で父と母は離婚をし、私は母に引き取られました…しかし、母はその心の傷を癒そうとある宗教に入信したのですが、そこがカルトで多額の資金を教団に注ぎ込んでしまいました…。お陰で私は生活費を稼ぐ為に無理矢理この世界に体を預ける羽目になってしまったのです……」
「ぐわぁぁぁ〜〜、痛い、痛過ぎるぞ〜〜」
2人の不幸比べに耐えられなくなり往人は思わず絶叫してしまう。
「成程…。ですが、それでは不幸度では私と互角位です。私に勝っているとは言えませんね…」
「…それに合わせ、代打ちを頼んだばかりに勘違いで見知らぬ男に手篭めにされたり……」
「オイ!」
「参りました…」
それは俺の事を言っているのか!すかさずツッコもうとした往人を尻目に、栞は自分の負けを認めた。
「あははーっ、では栞さん、脱衣麻雀の規定に従い脱いでもらいましょうかー」
栞に振り込ませたのは美凪であったが、何時の間にか佐祐理が主導権を握っていた。
「あ…、あの……実は一つ頼み事があるのですか……」
「ふえっ、何でしょうか?」
「服を脱ぐ変わりに魔術師さんに私のヴァージンを…」
「ブッ!」
栞の意味深な台詞に往人は速攻に鼻血を垂れ流す。
「なかなか大胆な事を言いますね。でもどうして?」
「自分の不幸度を強める為ですよ。ここで見知らぬ男に犯されれば、少なくとも美凪さんと互角の度合いになる筈です」
「成程…。そうであれば佐祐理も協力してあげましょう。初体験が3Pプレイであるならば、美凪さんに多少は不幸度で勝てると思いますよ」
「成程、それは名案ですね」
「3、3Pプレ…ブ、ブハッ!!」
「こうして往人さんはヤル前に早くもイってしまいましたとさ…。ちゃんちゃん……」
…薄幸の國士無双編完
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